日々の食事と「社会毒」の現実:『まんがで簡単にわかる! 日本人だけが知らない汚染食品』を読んで

学生さんが本書を貸してくださいました。日々の食事について考えさせられる本でしたので、ご紹介したいと思います。
「社会毒」とは何か? 私たちの身の回りに潜むもの
まず筆者は、「昔の人は食べなかったもの、使わなかったもので、それが人の体に悪影響をあたえるもの」[内海2019:29]を「社会毒」と名付けています。具体的には、「昔の人が食べていなかったものは、遺伝子組み換え作物、食品添加物(保存料、着色料など)、砂糖、甘味料などです。そして、昔の人が使っていなかったものは、西洋薬、農薬、環境ホルモン、毒性元素、殺虫剤、洗剤、漂白剤、石油精製物質(プラスチックなど)、強力な電気、電磁波、工業系有害物質、住宅系有害物質、大気汚染、人為的放射能などです」[内海2019:29]とされています。
これらの「社会毒」を摂取することで、がんや腫瘍の発症、アトピーやアレルギー疾患が誘発されるとされています。
日常に浸透する遺伝子組み換え作物の脅威
遺伝子組み換え作物では、害虫耐性を持たせるために、Bt毒素を出す遺伝子が組み込まれていて、そのBt毒素がアレルギー的な病気を誘発することが明らかになっているそうです。「ある研究では妊娠した女性の93%、胎児の80%からBt毒素がふくまれているという報告があります」[内海2019:42]との指摘もありました。
遺伝子組み換え食品は、私たちの身近に浸透しています。「遺伝子組み換えでない」と表示された食品を選んでいたとしても、実際には遺伝子組み換え食品を食べている可能性が高いと思われます。加工食品や家畜の飼料には遺伝子組み換え作物が使われている可能性が高いですし、「意図せざる混入」5%以下は「遺伝子組み換えでない」と表示できることになっているからです。
がんや腫瘍の発症については、フランス・カーン大学で行われた実験が紹介されていました。その部分を以下にあげます。
「①がんや腫瘍の発症については、フランスのカーン大学でおこなわれた実験が有名です。これは遺伝子組み換え作物のトウモロコシを700日間ラットに食べさせたという実験で、雌の場合、遺伝子組み換え作物のトウモロコシを食べさせていたグループの死亡率は、食べさせていなかったグループの2~3倍だったという結果が出ています。さらに、実験期間の後半になるほど腫瘍の発症率が高くなっているという結果が出ています。これは慢性毒性(長期間〈通常6カ月以上〉の連続または反復投与によって生じる毒性)があるということをしめしています。」[内海2019:53]
遺伝子組み換え作物については、病気の誘因となる他に、胎児への影響も指摘されていました。
緩和される農薬の残留基準と海外との格差
農薬についても言及されています。遺伝子組み換え作物が育てられている農地で使用されているグリホサート系の農薬の残留基準値が、日本では上げられているそうです。日本が輸入する作物の残留グリホサートが上がっていることに起因しているとのことでした。
「グリホサートを製造していたモンサント社を買収したバイエル社はものすごい数の訴訟を抱えててすでに敗訴しているのもあってその賠償金は数千億円になるといわれてるんだから それなのに日本では最大400倍に緩和しているの」[内海2019:122]
また2018年、アメリカでは、グリホサート系農薬を扱っているモンサント社に賠償金の支払いが命じられています。
「学校の校庭整備をしていた男性が、仕事で使っていたグリホサート系除草剤が原因でがんを発症させたとして、製造元のモンサント社を相手取り訴訟を起こしたのです。その結果、裁判所の陪審員全員が、がんを発症させた直接の原因はグリホサート系除草剤であり、モンサント社は警告義務をおこたったとして、2億9000万ドルの賠償金を支払うようにいいわたしたのです。」[内海2019:126]
健康被害が確定している農薬の残留基準値が緩和されているということに、ただただ驚きを禁じ得ません。こうして残留基準値を緩和された遺伝子組み換え作物の飼料を食べた家畜の肉が売られている、ということのようです。もちろん、そうではないものもあるのでしょうが。
成長ホルモンを使った牛肉も輸入されているそうです。その多くはアメリカ産牛肉だそうですが、オーストラリア産牛肉にも含まれているそうです。オーストラリア産牛肉の場合、規制の厳しいEU向けのものには成長ホルモンは使用していないそうですが、日本向けのものには使用されているそうです。成長ホルモンは、ホルモン依存性がんを引き起こす要因とされているそうです。[内海2019:158]
その他、砂糖や牛乳、水道水の問題についても指摘されていました。
今、私たちができること
筆者も指摘していましたが、今の日本で、「汚染食品」から完全に免れることは不可能です。できることから少しずつ始め、また、デトックスを生活の中に取り入れていくようにするしかないんだと思います。
安全な作物、食品を売ってほしいと、強く思います。
引用・参考文献
内海聡原作、くらもとえいる漫画、2019『まんがで簡単にわかる! 日本人だけが知らない汚染食品――医者が教える食卓のこわい真実』ユサブル