教育文化経営学院

『食事でよくなる! 子供の発達障害』

発達障害と栄養療法の可能性:『食事でよくなる! 子供の発達障害』を読んで

『食事でよくなる! 子供の発達障害』

本書は、発達障害のお子さんの症状を食事療法で改善されていった、ともだかずこさんの手記に、医師の藤川徳美先生が監修を加えられたものです。

「質的な栄養失調」がもたらす影響

藤川先生は、「子供の発達障害には母親から引き継いだ質的な栄養失調が関係していて、栄養療法によって軽度の発達障害は改善できる」[ともだ2019:36]と書かれています。

発達障害の原因については諸説あり、すべての子どもたちが栄養療法で改善するとは限りません。栄養療法が合わないケースがあることも事実であり、一つの療法ですべてが解決するわけではないでしょう。しかし、栄養療法で症状が改善したケースが存在することも否定できません。

発達障害については未解明な点も多く、だからこそ、人それぞれが体験した「うまくいった」というエピソードを集積していくことが重要ではないかと思います。私自身、身近に発達障害と思われる方がおり、本人と共に大変な思いをしてきました。どんなことでも可能性があるのならば試してみたい。その一つの選択肢として、本書から多くを学ぶことができました。

ともださんは、今日の食事を「質的な栄養失調」と表現し、具体的には以下の5つの不足があると指摘されています。

  1. 糖質過多
  2. たんぱく質不足
  3. 脂肪酸不足
  4. ビタミン不足
  5. ミネラル不足 [ともだ2019:36]

鉄分不足と心身の状態

特に鉄分不足については、多くの症状との関連が挙げられています。

鉄分不足によって現れる症状 [ともだ2019:49-50]

症状内容
精神面イライラしやすい、集中力低下、神経過敏、ささいなことが気になる
身体面立ちくらみ、めまい、耳鳴り、片頭痛、疲れやすい、関節や筋肉の痛み
その他のどのつまりや違和感、冷え症、朝なかなか起きられない、アザができやすい
トラブル・他肌・髪・爪のトラブル、不妊、むずむず足症候群、氷を食べる、土を食べる

「イライラしやすい」「神経過敏」といった症状は、発達障害の診断名と重なる部分も多いと感じます。

私自身、発達障害の診断は受けていませんが、健康診断で鉄分不足を指摘された経験があります。「冷え症」「朝なかなか起きられない」といった症状は、私自身も実感しているものです。また、リストにある「土を食べる」という記述には驚きました。何かの誤植かと思いましたが、発達障害のお子さんを持つお母さんの手記などでも同様の記述を目にしたことがあり、実際に起こりうることなのだと知りました。

野菜の栄養価とこれからの食卓

鉄分の多い食事を意識して調べていく中で、近年、野菜そのものの栄養価が大きく低下しているという指摘があることに気づきました。味の濃い、しっかりとした野菜が食卓から減っているようにも感じます。

私たちが手にする食材の栄養価について、今一度見直す必要があるのかもしれません。

引用・参考文献

ともだかずこ、藤川徳美監修、2019『食事でよくなる! 子供の発達障害』マキノ出版